無人航空機操縦者技能証明における身体検査実施要領
ポイント
〇無人航空機操縦者技能証明における「身体検査」の実施要領が定められました。
〇「無人航空機操縦者身体検査証明書」の様式が添付されています。
〇一等無人航空機操縦士についての技能証明(最大離陸重量25kg未満について限定をしないもの)にかかる身体検査基準は、国際民間空港条約の附属所一第177改訂版に規定する第三種身体検査基準に相当する基準となります。
参照
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1.目的
本要領は、無人航空機操縦者技能証明(以下「技能証明」という。)における身体検査(以下「身体検査」という。)について、無人航空機操縦者の心身の状態が航空法施行規則(昭和27年運輸省令第56号。以下「規則」という。)の別表第6に定める身体検査基準(以下「身体検査基準」という。)に適合するかどうかについて検査及び判定を行うにあたり、その検査及び判定の方法の適正かつ統一的な運用を図ることを目的とする。
2.身体検査及び証明実施上の一般的な注意及び手続き
2-1.定義
(1)「無人航空機操縦者身体検査証明書」とは、医師により身体検査の申請前6月以内に受けた検査の結果を規則第29号の8様式に記載したものをいう。
当該様式は別添1として本要領に添付するものとする。(規則第236条の38第8項第1号)
(2)「身体検査合格証明書」とは、身体検査の各項目について合格基準に達した者に対し、国土交通大臣から交付されるものをいう。(規則第236条の50第2項)
(3)「航空身体検査証明書」とは、航空従事者技能証明の資格に係る規則別表第4で定める身体検査基準に適合するとして国土交通大臣又は指定航空身体検査医から交付されるものをいう。(規則第24号様式)
(4)「検査員」とは、法第132条の47第2項に規定する身体検査に関し、身体検査基準への適合性について身体検査の実施及び判定を行う者をいう。
(5)「検査員補助員」とは、身体検査の実施を補助する者であって、身体検査の各項目について測定等を行う者をいう。
ただし、身体検査基準への適合性に関する判定は実施することができない。
2-2.身体検査の意義
(1)無人航空機の安全な飛行を確保するため、無人航空機操縦者が身体検査基準に適合しているかどうかを検査し、適合と判定された者にのみ交付される身体検査合格証明書を有していなければ技能証明は交付することができない。
(2)無人航空機を飛行させるのに必要な身体の状態を保持しているかどうかについて検査及び判定を行うために、身体検査基準及び本要領が定められている。
なお、一等無人航空機操縦士の資格についての技能証明(最大離陸重量25キログラム未満についての限定をしないもの(当該限定の変更をされるものを含む。)に限る。)に係る身体検査基準は、大型の無人航空機による第三者上空飛行というリスクが高い飛行を行う操縦者に適用されることから、国際民間航空条約の附属書一に規定する第三種身体検査基準に相当する基準に適合する必要がある。
(3)技能証明を行うために必要な身体検査の結果に係る有効期間(以下「有効期間」という。)は、規則第236条の41の規定に基づき、1年又は確認を受けた規則第236条の 38第8項第2号に掲げる書類(身体検査合格証明書、航空身体検査証明書又は国土交通大臣がこれらと同等以上と認めるもの)の有効期間のいずれか短い期間と定められている。
なお、身体検査合格証明書等は、身体検査を行った時点における心身の状態について断面的な検査を行うものであり、法第132条の46第1項においては、身体検査合格証明書を有している場合であっても、規則第236条の43に規定する病気等にかかっている場合は、技能証明を行わず、又は6月以内において期間を定めて技能証明を保留することができる旨を規定している。
(4)医学的な適性と良好な健康状態は必ずしも同義ではない。
無人航空機を安全に操縦するための医学的な適性とは、以下のことを意味する。
①無人航空機を飛行させるのに必要な心身の状態を保持し、その状態があらゆる状況下でも無人航空機を飛行させることができる水準以上であること。
②その状態を技能証明の有効期間中に継続して維持していると予想されること。特に統合失調症、てんかん、再発性の失神、そう鬱病等の病気は、無人航空機の安全な操縦に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかの能力を欠くこととなるおそれがあるため、このようなリスクを排除することが重要である。
2-3.身体検査実施上の基本的心構え
次の諸点を基本的心構えとして、身体検査を実施すること。
(1)検査員及び検査員補助員は、検査の実施にあたっては、受検者に対して心理的及び肉体的苦痛を与えないよう対応しなければならない。
(2)身体検査の準備、業務分担、実施要領等において、円滑な身体検査の実施に努めなければならない。
2-4.身体検査を受けるための準備
身体検査は、別添1「無人航空機操縦者身体検査証明書」を用いて、本要領に掲げる検査項目の結果を記録することにより行う。
なお、受検者にあっては、身体検査受検前に次に掲げる事項を申請者記入欄に記入するものとする。
また、医療機関において身体検査を受診する場合は、別添2「記入要領」を医療機関にて診断を行う医師に呈示するものとする。
(1)氏名
氏名及びふりがなを記載するものとする。
(2)生年月日
西暦で記載するものとする。
(3)性別
男又は女のいずれかに〇を記入するものとする。
(4)受けようとする技能証明に係る資格の区分及び限定事項
資格区分、種類及び飛行方法の該当項目に〇を記入するものとする。
(5)住所
現住所を記載するものとする。電話番号については連絡を取ることができる携帯電話番号でもよいものとする。
(6)写真
申請前6月以内に撮影した無帽、正面、上三分身、無背景のものであって、マスクやサングラス等を着用したものであってはならない。
2-5.検査員の責務
(1)検査員が身体検査基準への適合性の判定を行うに当たっては、本要領に従い厳正かつ慎重に行わなければならない。
この際、検査結果が身体検査基準に適合するか否か不分明なときは、身体検査合格証明書を交付してはならない。
(2)検査員が必要と認めるときは、受検者に対して、身体検査に関する医師の診断書の提出を求めることができる。
(3)検査員は、受検者が虚偽の申告やその他の不正な手段により身体検査合格証明書の交付を受けようとしたと認められる場合には、法第132条の49第1項の規定により当該不正行為に関係のある者について、その身体検査を停止し、又はその合格を無効とすることができる。
また、遅滞なく、その旨を国土交通省航空局安全部無人航空機安全課長に報告しなければならない。
2-6.身体検査の指針
(1)規則第236条の47第1項の規定による別表第6の検査項目の欄に掲げる項目について身体検査を行わなければならない。
(2)検査員又は医師は、技能証明の身体検査について十分に理解するとともに、自己の責任の下に身体検査合格証明書又は無人航空機操縦者身体検査証明書の交付を行わなければならない。
(3)検査員又は医師は、検査を行った結果及び所見、その他判定の根拠となる事項を必ず無人航空機操縦者身体検査証明書の医師記入欄に記入すること。
(4)3.に掲げる身体検査の各項目において、検査員又は医師がその検査項目に関してより合理的であると認める手法がある場合、その手法を明確にしたうえで代替検査手法として設定することができる。
この場合、当該代替検査手法は第三者が受検者に対して検査を実施しても再現可能であり、かつ、世間一般で広く認められた手法でなければならない。
(5)身体検査を受けるにあたり、受検者の補助具の使用は妨げない。
この場合、当該補助具の使用が必要である旨を別添1の6.医師又は検査員所見欄に記載すること。
3.身体検査の方法
3-1.一等無人航空機操縦士の資格についての技能証明(最大離陸重量25キログラム未満についての限定をされるものに限る。)及び二等無人航空機操縦士の資格についての技能証明に係る身体検査基準
規則第236条の47の規定により、身体検査は次のいずれかの方法により行うものとする。
(1)規則第236条の47第3項の規定による書類の確認
有効な身体検査合格証明書、航空身体検査証明書又は国土交通大臣がこれらと同等以上と認めるものの写しの提出。
なお、「国土交通大臣がこれらと同等以上と認めるもの」は、既得の技能証明書又は道路交通法(昭和35年法律第105号)第92条第1項に規定する運転免許証(以下「運転免許証」という。)とする。
(2)規則第236条の47第2項の規定による書類の確認
医師により身体検査の申請前6月以内に受けた検査の結果を記載した別添1による無人航空機操縦者身体検査証明書の提出。
(3)上記(1)又は(2)以外の方法で身体検査を受けようとする者にあっては、規則第 236条の47第1項の規定による別表第6の検査項目の欄に掲げる項目について身体検査を受検。
3-1-1.身体検査合格証明書、航空身体検査証明書、既得の技能証明書又は運転免許証の写しを提出した者の身体検査は、次の要領で行うものとする。
① 規則第236条の47第3項第1号の規定により、身体検査を受けた日から1年以内に提出された身体検査合格証明書に関する書類確認は次の方法により行う。
イ 一等無人航空機操縦士試験(最大離陸重量25キログラム未満の回転翼航空機(ヘリコプター)、回転翼航空機(マルチローター)又は飛行機についての限定(以下「最大離陸重量25キログラム未満についての限定」という。)をしないもの(当該限定の変更をされるものを含む。)に限る。)の身体検査に合格した場合の身体検査合格証明書の提出があったときは、当該身体検査合格証明書の有効期間を確認の上、一等無人航空機操縦士試験及び二等無人航空機操縦士試験の身体検査を合格とする。
ロ 一等無人航空機操縦士試験(最大離陸重量25キログラム未満についての限定をされるものに限る。)又は二等無人航空機操縦士試験の身体検査に合格した場合の身体検査合格証明書の提出があったときは、当該身体検査合格証明書の有効期間を確認の上、一等無人航空機操縦士試験(最大離陸重量25キログラム未満についての限定をされるものに限る。)及び二等無人航空機操縦士試験の身体検査を合格とする。
② 規則第 236 条の 47 第3項第2号の規定により航空身体検査証明書の有効期間内に提出があったときは、1年又は当該航空身体検査証明書の有効期間のいずれか短い期間を有効期間として身体検査を合格とする。
③ 規則第236条の47第3項第3号の規定による「その他国土交通大臣が定める場合」とは既得の技能証明書又は運転免許証がこれらの有効期間内に提出された場合とする。提出された既得の技能証明書又は運転免許証の内容が身体検査基準に該当することの書類の確認の方法は次のとおりとする。
イ 一等無人航空機操縦士(最大離陸重量25キログラム未満についての限定をしないものに限る。)の資格についての技能証明書の提出があったときは、1年又は当該技能証明書の有効期間のいずれか短い期間を有効期間として、一等無人航空機操縦士試験及び二等無人航空機操縦士試験の身体検査を合格とする。ただし、条件が付されている場合にあっては、当該条件を付すこととする。
ロ 一等無人航空機操縦士(最大離陸重量25キログラム未満についての限定をされるものに限る。)又は二等無人航空機操縦士の資格についての技能証明書の提出があったときは、1年又は当該技能証明書の有効期間のいずれか短い期間を有効期間として、一等無人航空機操縦士試験(最大離陸重量25キログラム未満についての限定をされるものに限る。)及び二等無人航空機操縦士試験の身体検査を合格とする。ただし、条件が付されている場合にあっては、当該条件を付すこととする。
ハ 運転免許証の提出があったときは、1年又は当該運転免許証の有効期間のいずれか短い期間を有効期間として、一等無人航空機操縦士試験(最大離陸重量25キログラム未満についての限定をされるものに限る。)及び二等無人航空機操縦士試験の身体検査を合格とする。ただし、条件が付されている場合にあっては、当該条件を付すこととする。
3-1-2.無人航空機操縦者身体検査証明書を提出した者の身体検査は、次の要領で行うものとする。
① 検査員又は検査員補助員は、無人航空機操縦者身体検査証明書に記載された検査の結果(診断書又は告知書等が添付されている場合は、当該診断書又は告知書等に記載された検査の結果を含む。)を確認するとともに、検査員は、各検査項目について3-1-3.に定める判定方法及び合格基準に基づき合否判定を行うこと。
② 無人航空機操縦者身体検査証明書に記載された検査の結果に不審な点が認められたときは、証明を行った医師に問い合わせる等適切な方法で確認を行うこと。
③ 無人航空機操縦者身体検査証明書等の確認をもって受検者に対する身体検査とすることができず、検査の必要を認めた検査項目がある場合は、当該検査項目についての検査を行い、当該身体検査の結果を検査結果とすること。
④ 無人航空機操縦者身体検査証明書に記載された検査の結果が身体検査基準に適合するかどうかを判定することができない場合であって、専門医等による診断の必要があると認めるときは、診断書の提出を求めることができる。
⑤ 無人航空機操縦者身体検査証明書の色覚の項目が空欄又は「その他」にマークされている場合は、色覚に関する要件を満たす医師の診断書を提出させること。
ただし、受検者が身体検査合格証明書、航空身体検査証明書、既得の技能証明書又は運転免許証を有している場合は、診断書の提出を要しないものとする。
⑥ 運動能力(身体機能の障害)に関する記載内容が、操縦しようとする無人航空機に応じた測定器具を使用する方法又は実際に無人航空機等を操縦させる等の方法による検査を必要とするものである場合は、試験の開始期日の1月前までに国土交通省航空局安全部無人航空機安全課に相談するものとする。
⑦ 検査項目別の合否判定は、3-1-3.に定める判定方法及び合格基準に基づき行うこと。
3-1-3.3-1(3)の身体検査について、検査員又は検査員補助員は、規則別表6の各検査項目について次の要領で検査を行い、別添1に記入するものとする。
(1)視力
① 視力検査機
視力の検査は、万国式試視力表により行い、屈折異常のあるものについては、矯正視力について検査する。
ただし、これ以外の視力表でもその性能が万国試視力表と同等以上のものであれば、使用することは差し支えない。
② 測定方法(万国式試視力表による検査)
(イ)視力検査器と被験者との距離は5メートルとする。
(ロ)受検者の眼高と検査器の高さを同一とする。
(ハ)照度は視標上を概ね300ルクスから500ルクスとし、室内の照度はそれ以下とする。
(ニ)視力検査は右眼、左眼及び両眼での検査を行う。
(ホ)片目の検眼を行う際は、片眼は必ず遮眼子を使用して遮蔽させる。
(ヘ)検眼回数は一眼について2回以上とする。
(ト)視力においては矯正視力が認められているが、矯正には眼鏡のほかコンタクトレンズ(角膜矯正用コンタクトレンズ含む。)も含まれる。しかし、眼鏡であっても通常眼鏡の概念に入らない望遠鏡式のものは眼鏡と認めることは不適当である。
(チ)受検者には、視標の切れ目の方向を指により指示させるか、口頭で答えさせる。
(リ)受検者が正答した右眼、左眼及び両眼での視力値を記録する。
③ 合格基準
視力(矯正視力を含む。)は両眼で0.7以上、かつ、一眼でそれぞれ0.3以上である場合を「正常」とする。
なお、視力(矯正視力を含む。)は両眼で0.7以上であっても、一眼の視力が0.3に満たない者又は一眼が見えない者については、次項(2)の視野検査を行う。
(2)視野
視力(矯正視力を含む。)が両眼で0.7以上の場合であっても、一眼の視力が0.3に満たない者又は一眼が見えない者については、視野検査を行う。
①視野検査器
手動式視野計を用いて行う。
ただし、これ以外の視野計でもその性能が手動式視野計と同等以上のものであれば、使用することは差し支えない。
②測定方法(手動式視野計による検査)
(イ)視力を矯正している者の視野の測定は、支障がある場合を除き、矯正した状態で測定すること。
(ロ)受検者の顎を顎台にのせさせ、測定する方の眼が凝視点を直視できるように顎台の高低及び左右を調整する。
(ハ)測定しない方の眼を顎台支柱に取り付けられた遮眼子で遮蔽し、測定する方の眼の遮眼子は検査の邪魔にならないように開き、眼球を動かさないように注意する。
(ニ)検査員は、半弓スタンドの手動ハンドルによって視標を弓の中心部から右(左)周辺部に向かって徐々に移動させる。視標が見えなくなった瞬間に受検者に合図をさせ、その点の位置を弓の裏面の目盛りで読み取る。
次に視標を右(左)周辺部の弓の端から逆に弓の中心方向に向かって徐々に移動させ、初めて見えたときに受検者に合図をさせ、その点の目盛りを読み取り、その二者の平均値を右(左)視界の限界点の測定値として記録する。
更に視標の弓の中心部から左(右)周辺部に向かって移動させ、前記と同様の操作を行い、左(右)視界の限界点を測定した結果を記入する。
(ホ)左右の測定値を足した値を視野角度とする。
③ 合格基準
視力(矯正視力を含む。)が両眼で0.7以上の場合であって、一眼の視力が0.3に満たない者又は一眼が見えない者については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.7 以上である場合を「正常」とする。
(3)色覚
①色覚検査表
色覚能力の検査は、JIS Z 8721に準拠した標準色彩による赤色、青色、黄色の三原色を用いたカード(以下「色覚検査表」という。)により行うものとする。色覚検査表は、赤色、青色、黄色の各色1回ずつ使用した配列が異なる計6種類のものをいう。当該6種類から3種類を選定したものを1セットとする。
ただし、これ以外の色覚検査表でもその性能が色覚検査表と同等のものであれば、使用することは差し支えない。色覚検査表は変色又は褪色していないものを用いなければならない。
②検査方法(色覚検査表による検査)
(イ)直射日光は避け、検査時の照明は北側からの昼の一様な自然光又は500ルクス以下の昼光色灯とする。
(ロ)色覚検査表の識別は両眼で行う。近視又は遠視の場合は、眼鏡のほかコンタクトレンズ(角膜矯正用コンタクトレンズ含む。)により視力を矯正しなければならない。眼鏡又はコンタクトレンズのうちいずれかの使用については受検者が選択するものとする。
(ハ)色覚検査表と受検者との距離は概ね50cmとする。光源が目に入らないよう視線と直角に配置することが望ましい。
(ニ)色覚検査表を呈示して3秒以内に回答しなければならない。
(ホ)色覚検査表の呈示回数は1セット3回とする。
(ヘ)受検者は、カードの色指標について左側から順に回答するものとする。
③ 合格基準
(イ)1セット目で全て正解する者は「正常」とする。
(ロ)1セット目で誤回答があった場合でも、更にもう1セット検査を行い誤りがなければ「正常」とする。
(ハ)2セット共に誤回答があれば、「その他」として、その旨を記入する。
(4)聴力
聴力(補聴器により補われた聴力を含む。)については、10メートルの距離で無人航空機の操縦装置等の警音器の音(90dBの警報音)が聞こえるか否かについて検査する。
検査方法は、受検者を後ろ向きに立たせた状態で警音器を数回鳴らし、その過半数以上が聞こえた者を「可」とする。なお、次に掲げる検査方法でもよい。
①オージオメーターによる検査
暗騒音が50dB(A)未満の部屋で、各耳について500、1,000及び2,000Hzの各周波数において45dBを超える聴力低下がないこと。これを満たさない場合は、暗騒音が50dB(A) 未満の部屋で、いずれか一方の耳について500、1,000及び2,000Hzの各周波数において 30dBを超える聴力低下がないこと。
なお、各周波数における検査の結果については、可又は不可のいずれかの判定結果とする。
②通常会話による検査
暗騒音が50db(A)未満の部屋で、後方2メートルの距離から発せられた通常の強さの会話の音声で両耳を使用して正しく聴取できれば、「可」とする。
(5)疾病の有無
別添1の「4.疾病」については、一等無人航空機操縦士試験(最大離陸重量25キログラム未満についての限定をされるものに限る。)及び二等無人航空機操縦士試験の身体検査においては必ずしも記載する必要はない。
(6)運動能力(身体機能の障害)
①身体機能の障害の有無の検査
検査は、受検者に対し、質問をし、及び四肢の運動等を行わせるほか、身体障害の状態及び程度、操縦しようとする無人航空機に応じた測定器具を使用して検査を行い、又は実際に無人航空機を操縦させる等の方法により行うものとする。
ただし、質問及び四肢の運動等で運動能力の判断ができる場合は、他の方法による試験は省略することができるものとする。
法第132条の46第1項第1号及び第2号並びに規則第236条の43に規定する身体の障害以外の技能証明に係る者の身体の状態に応じて、無人航空機の飛行に関して付す必要な条件をどのようにするかは、その態様、無人航空機の安全な飛行に支障を及ぼすおそれの有無等を個々具体的に審査し決定するものとする。
検査にあっては、別添3「身体障害の状態と技能証明の範囲及び条件内容」を使用して行うものとする。
②合格基準
(イ)規則第236条の62第4項第1号(目が見えないもの)又は第2号(四肢の全部を失つたもの又は四肢の用を全廃したもの)に掲げる身体の障害がないこと。
(ロ)(イ)に定めるもののほか、無人航空機の安全な飛行に必要な認知又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなる四肢又は体幹の障害があるが、法第132条の44の規定による条件を付すことにより、無人航空機の安全な飛行に支障を及ぼすおそれがないと認められること。
検査を行った結果、取得しようとする資格に必要とされる身体機能及び能力を有すること((イ)又は(ロ)に該当すること)が確認された場合は、「無人航空機の安全な操縦に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くことがない」と認めるものとする。
ただし、必要とされる身体機能及び能力を有しない場合であっても、別添3「身体障害の状態と技能証明の範囲及び条件内容」に従い検査を行った結果、それを補う有効な補助手段が確認できれば、技能証明に、航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全を確保するために必要な条件を付すものとする。
また、無人航空機の操縦に必要な身体機能及び能力を欠くこととなるおそれを呈しないものについては、専門医又は医師の診断書又は証明書に基づき判定することができる。
3-2.一等無人航空機操縦士の資格についての技能証明(最大離陸重量25キログラム未満についての限定をしないもの。(当該限定の変更をされるものを含む。))に係る身体検査基準
国際民間航空条約の附属書一第 177 改訂版に規定する第三種身体検査基準に相当する基準とする。
4.個人情報の保護
(1)検査員又は医師は、「個人情報の保護に関する法律」(平成15年法律第57号)等に基づき、個人情報の適正な取扱いを行うこと。
(2)検査員又は医師は、法令に基づく場合等を除き、申請者本人の同意を得ないで、技能証明以外の目的で、身体検査で知り得た情報を取り扱ってはならない。
(3)国土交通大臣は、「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第58号)」第8条に従って、法令に基づく場合を除き、技能証明以外の目的のために個人情報を利用し、又は提供しない。
5.その他
(1)技能証明に条件を付されている者から当該条件の解除又は変更の申請があった場合は、国土交通省航空局安全部無人航空機安全課において所要の審査を行い、その可否を判断するものとする。
(2)検査員又は医師は、自らの身体検査を行ってはならない。
(3)この要領を実施するための必要な細目的事項については、国土交通省航空局安全部無人航空機安全課が別途定める場合がある。
別添資料
参照
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