ひと目で分かる! ドローン規制の全体像

農薬・肥料・種子等の空中散布

ポイント

〇農薬等の空中散布においても「危険物輸送」や「物件投下」等の無人航空機の規制が及びます。
〇空中散布の実施手順や運用基準について「空中散布における無人航空機利用技術指導指針」が定められています。
〇上記技術指導指針を受けて行う空中散布と無人航空機の規制の関係について「空中散布等を目的とした無人航空機の飛行に関する許可・承認の取扱いについて」が定められています。

規制の概要

規制の場面

 無人航空機による農薬、肥料、種子等の空中散布

規制の内容

 作物・作業内容・散布方法・散布装置に応じて、飛行速度・飛行高度・飛行間隔・適用機種を定める

根拠法

 空中散布等における無人航空機利用技術指導指針

所管官庁

 農林水産省

規制の趣旨

 人畜、農林水産物、周辺環境などに対する安全性を確保しつつ、空中散布の適正な実施を図る

空中散布における無人航空機利用技術指導指針(概要)

事業計画書の策定

〇無人航空機を用いて空中から農薬、肥料、種子もしくは融雪剤の散布(以下、空中散布という。)を行おうとするものは、実施場所、実施予定月日、作物名等を記載した事業計画書別記様式2)を作成し、実施する月の前月末までに、空中散布等の実施区域内の都道府県協議会別表1)に提出すること。

 

航空法に基づく許可・承認の申請

〇実施しようとする空中散布が以下に該当する場合には、航空法の規定に基づき国土交通大臣の許可・承認を受けること。
空港等の周辺の上空の空域
150m以上の高さの空域
人口集中地区の上空
夜間飛行
目視外飛行
30m未満の距離の飛行
イベント上空飛行
危険物輸送
物件投下

 

事前周知

〇実施主体は、空中散布の実施区域及びその周辺にある学校、病院等の公共施設、居住者等に対し、あらかじめ空中散布の実施予定日時、区域、薬剤の内容などについて連絡するとともに、実施に際しての協力を得るように努めること。

 

空中散布の方法

〇風下から散布を開始する横風散布を基本に飛行経路を設定し、オペレーター及び周辺環境などへの影響等に十分配慮して、作業効果の確保に努めること。
〇空中散布に使用する機体は、別表2のとおりとすること。また、農薬を散布する場合にあっては、農薬取締法第12条第1項に基づき定められている農薬を使用する者が遵守すべき規準に従い実施すること。
飛行速度及び飛行間隔については、別表2のとおりとし、散布の均一性が確保されるよう十分配慮すること。
飛行高度に浮いては、散布薬剤の物理性、気象条件、散布場所及びその周辺区域の地形等を勘案して、別表2の範囲内で加減すること。
〇空中散布の実施は、気流の安定した時間帯に、かつ、地上1.5mにおける風速が3m/s以下の場合に限ること。
〇機体とオペレーターの距離は、水平距離で150mを超えない範囲で機体の位置と向きが把握できる距離とすること。

 

許可書・承認書の携行

〇航空法に基づく国土交通大臣の許可・承認を受けたオペレーターは、空中散布を実施する場合は、許可書又は承認書の原本又は写しを必ず携行するものとする。

 

危被害防止対策

〇実施主体は、架線等の危険箇所、実施除外区域、飛行経路並びにオペレーター及びナビゲーターの経路を示した地図を作成し実施区域及びその周辺の状況把握に努めるとともに、必要に応じて危険箇所及び実施除外区域を示す標識を設置すること。
〇実施区域内への人の立入防止を徹底すること。
〇実施区域周辺において、空中散布の対象以外の農作物に農薬が飛散するなどの被害が生じないようにするために必要な措置を徹底すること。
ナビゲーターを機体毎に1名以上配置するとともに、必要に応じて作業補助者を配置すること。
〇次の事項に留意すること。
・機体との距離を20m以上確保すること。
・共同で実地確認を実施し、危険箇所等の情報を共有すること。
離着陸地点は、実施区域に隣接する農道等とし、近くに家屋、架線等がある場所を設定しないこと。
保護具を着用すること。
・必要以上に急激な操作や大きな操作を行わないこと。
家屋、架線等に向けた飛行経路を設定しないこと
足場のよいところを移動すること
・不具合が発生した場合には、直ちに散布を停止し、機体を速やかに安全な場所に降下させること。
・同一地区で2機以上を同時に飛行させる場合は、事前にオペレーター等が無人航空機に使用する電波の周波数を確認し合い、電波の混信が起こらないよう異なる周波数を使用すること。
連続作業時間が長時間に及ばないよう作業時間に留意すること。
・機体を空中散布の実施区域に隣接していない圃場又は飛行経路上に家屋、架線等がある隣接した圃場に移動させる場合は、機体を着陸させた上で陸上を移動させること。
・機体に衝撃を与えることのないよう十分に注意すること
〇機体に衝撃を与えた場合は、その都度機体の点検を受けること。
〇空中散布の実施により、農業、漁業その他の事業に被害が発生し、又は周囲の自然環境もしくは生活環境に悪影響が生じた場合は、直ちに実施を中止し、その原因の究明に努めるとともに、適切な事後処理を行うこと。

 

機体の保管

〇無人航空機の機体、散布装置等の所有者は、本来の目的外に使用されることを防止するため、厳重な保管管理の徹底に努めるものとする。

 

実施報告

〇実施主体は、空中散布を実施した場合は、速やかに実施場所、実施月日、作物名等について記載した事業報告書別記様式3)を作成し、都道府県協議会別表1)に提出すること。

 

事故発生時の対応

〇事故の類型は以下のとおり。

【人身事故】人の死亡、負傷等
【重大な物損事故】家屋、倉庫等の建物の損壊又は延焼
【物損事故】架線、電柱、立木等への接触事故
【墜落事故】操作中の水田、道路等への墜落による自損事故
【農薬事故】操作中のドリフト、農薬流出等の農薬事故
【その他】学校、病院等の公共施設の敷地内への不時着事例、操作中の機体が行方不明になった事例等、社会的影響等を勘案して対応が必要と考えられる事例

〇実施主体は、事故報告書別記様式4)を作成し、都道府県協議会別表3)に提出すること。
〇事故報告書は、事故発生後直ちに第1報(事故の概要、初動対応等)を、事故発生から1週間以内に第2報(事故の詳細、被害状況、事故原因等)を、事故発生から1ヶ月以内に最終報(再発防止策の策定)をそれぞれ作成すること。
〇実施主体は、特に重大な事故が発生した場合は、直ちに地方航空局保安部運用課又は事故発生地を管轄する空港事務所別表4)にも事故報告書を提出すること。なお、速やかに農林水産省消費・安全局植物防疫課にも事故報告書提出の旨を連絡すること。

 

オペレーター・機体等

〇オペレーターは、空中散布に用いられる機種の操縦技術に習熟しており、かつ、無人航空機を用いた農薬等の散布に関する技術及び無人航空機の安全な飛行に関する知識を習得しているものとして登録認定機関の認定を受けたものであること。
〇機体は、安全かつ適正な空中散布を実施するために必要な性能を有し、かつ、保守及び整備のための体制が整備されているものとして性能確認された機体の一覧(別表2)に掲げる適用機種であって、登録認定機関による登録がなされ、かつ適切に定期点検が行われたものであること。

 

詳細について

 「空中散布における無人航空機利用技術指導指針」をご参照ください。

空中散布等を目的とした無人航空機の許可・承認の取扱い(概要)

目的

〇「空中散布等における無人航空機利用技術指導指針」に基づいて空中散布等を行う際の、「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領」の取扱いを定める。
◆技術指導指針(農林水産省)と許可・承認の審査要領(国土交通省)の関係について定めたもの。農林水産省と国土交通省に関係するため、「農林水産省 消費・安全局長」と「国土交通省 航空局長」の連名でなされる(両局長通知)

 

申請書記載事項

〇「無人航空機の機能及び性能に関する事項」として、一般社団法人農林水産航空協会(以下「農水協」という。)が性能確認を行った無人航空機を飛行させる旨及び当該無人航空機の機体登録番号を記載すること。
〇「無人航空機の飛行経歴並びに無人航空機を飛行させるために必要な知識及び能力に関する事項」として、農水協が技能認定を行った者が無人航空機を飛行させる旨及び当該飛行を行う者の技能認定証番号を記載すること。
〇「その他参考となる事項」として、病害虫の発生等に対応するための飛行などの緊急を要する飛行の取扱いについて記載すること。

 

許可等の基準との適合性について

〇空中散布等及び指定教習施設における飛行については、農水協による性能等の確認を受け、かつ、農水協に登録されている機体が使用されていれば、無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領に定める基準(無人航空機の機能及び性能に関する基準)に適合していると判断して差し支えないものとする。
〇空中散布等及び認定整備事業所の飛行については、農水協による技能確認を受け、かつ、当該団体から技能認定証が交付されている者が無人航空機を飛行させていれば、無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領に定める基準(無人航空機の飛行経歴並びに無人航空機を飛行させるために必要な知識及び能力に関する基準)に適合していると判断して差し支えないものとする。
〇空中散布等の飛行については、技術指導指針などに基づき、人畜、農作物、周辺環境等に対する安全性を確保した適正な飛行のために必要な体制が構築されていれば、無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領に定める基準(無人航空機を飛行させる際の安全を確保するために必要な体制に関する基準)に適合していると判断して差し支えないものとする。

 

詳細について

 「空中散布等を目的とした無人航空機の飛行に関する許可・承認の取り扱いについて」をご参照ください。

 

◆初めての方は「5分でわかる!ドローン規制の全体像」よりご覧ください。
◆ドローンに関する規制の一覧は「トップページ」をご覧ください。

 

 

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