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平成30年1月31日改正 許可・承認の審査要領◆イベント上空飛行

改正のポイント

〇安全確保体制の基本的基準として、「多数の者の集合する場所の上空での飛行の中止」を追加
〇人口集中地区の上空・30m未満の距離の飛行・イベント上空飛行における機体の追加基準として、接触時の危害軽減構造の対象に「第三者との接触」を追加
〇イベント上空飛行における機体の追加基準として、「十分な飛行実績(飛行時間、飛行回数)を有すること」を追加
〇イベント上空飛行における安全確保体制の追加基準として、風速制限・速度制限を追加し、立入禁止区画を設定

改正の内容

 「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領」において、以下の改正がなされました。

 

安全確保体制の基本的基準

〇多数の者の集合する場所(イベント上空飛行を除く)の上空を飛行することが判明した場合には即時に飛行を中止すること。
 ただし、イベント上空飛行と同様の安全上の措置を講じている場合は、この限りではない。

参照

安全確保体制の構築

 

人口集中地区の上空・30m未満の距離の飛行

機体の追加基準

〇「第三者の上空で無人航空機を飛行させない場合」における機体の追加基準として、接触時の危害を軽減する構造の対象に「第三者との接触」を追加。

参照

人口集中地区の上空
30m未満の距離の飛行

 

イベント上空飛行

 「第三者の上空で無人航空機を飛行させない場合」における機体・安全確保体制の追加基準として、以下のように定める。

機体の追加基準

①危害軽減構造
 接触時の危害を軽減する構造の対象に「第三者との接触」を追加。
②飛行実績
 飛行が想定される運用により、10回以上の離陸および着陸を含む3時間以上の飛行実績を有すること

安全確保体制の追加基準

③風速制限
 風速5m/s以上の場合には、飛行を行わない
④速度制限
 風速と速度の和が7m/s以上となる場合には、飛行を行わない
⑤立入禁止区画
 飛行高度に応じた立入禁止区画を設定すること

飛行の高度(H)

立入禁止区画(L)

20m未満

飛行範囲の外周から30m以内の範囲

20m以上 50m未満

飛行範囲の外周から40m以内の範囲

50m以上 100m未満

飛行範囲の外周から60m以内の範囲

100m以上 150m未満

飛行範囲の外周から70m以内の範囲

150m以上

飛行範囲の外周から落下距離(70m未満の場合にあっては70m)以内の範囲

 

追加基準の適用除外

以下の場合には、①~⑤を満たさない場合でも、飛行を許可されます。
〇機体に係留装置の装着又はネットの設置などを活用した安全対策を講じている場合
〇機体メーカーが自社の機体の性能にあわせ落下範囲を保証している等、その技術的根拠について問題ないと判断できる場合。

 

参照

イベント上空飛行

 

スケジュール

 公布:平成30年1月31日
 適用:平成30年2月1日

解説

 平成29年11月4日の岐阜県大垣市におけるドローン落下事故を受けて、無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領における上記のような改正がなされました。
 また、上記改正にあたり、パブリックコメントが募集され、寄せられたご意見に対する回答も示されています。

 

安全確保体制の基本的基準

 安全確保体制の基本的基準として「多数の者の集合する場所の上空を飛行することが判明した場合には、即時に飛行を中止すること」が盛り込まれました。
 審査要領上の文言は、「多数の者の集合する場所(多数の者の集合する催し場所を除く)の上空を飛行することが判明した場合」となっており、「多数の者の集合する場所」と「多数の者の集合する催し場所」(イベント上空飛行)を区別していることが伺えます。
 そのうえで、「多数の者の集合する場所」とは、「多数の者の集合する催し場所」よりも広い概念であると考えられます。
 今後は、イベント上空飛行に当たらない場合であっても、「多数の者の集合する場所」に該当する場合には、イベント上空飛行と同様の安全上の措置を講じない限り、即時に飛行を中止することが求められることになります。

 

人口集中地区の上空・30m未満の距離の飛行

 「第三者の上空で無人航空機を飛行させない場合」における機体の追加基準として、接触時の危害を軽減する構造の対象に「第三者との接触」が追加されました。

(旧)物件に接触した際の危害を軽減する構造を有すること
(新)第三者及び物件に接触した際の危害を軽減する構造を有すること

 改正前から、「第三者の上空で最大離陸重量25kg未満の無人航空機を飛行させる場合」における機体の追加基準として「第三者及び物件に接触した際の危害を軽減する構造を有すること」と定められていたため、今回の改正により「第三者の上空で無人航空機を飛行させない場合」も平仄を合わせる形となります。
 改正前は、「第三者の上空を飛行しない限り、第三者に接触する恐れはない」という前提で定められた審査基準が、改正により「第三者の上空で飛行させない場合も、第三者に接触することも念頭に置く」という認識に改められたものと思われます。

 

イベント上空飛行

①危害軽減構造

 上記人口集中地区の上空・30m未満の距離の飛行における機体の追加基準の改正と同様に、イベント上空飛行においても、「第三者の上空で無人航空機を飛行させない場合」における機体の追加基準として、接触時の危害を軽減する構造の対象に「第三者との接触」が追加されました。
 この点については、上記解説をご参照ください。

 

②飛行実績

 「第三者の上空で無人航空機を飛行させない場合」における機体の追加基準として、航空局HP掲載機以外の機体については、「飛行が想定される運用により、10会場の離陸及び着陸を含む3時間以上の飛行実績を有すること」が追加されました。
 具体的には、飛行時間と飛行回数を申請書に記載することとなります。

 

③風速制限・④速度制限

 ③風速制限については、航空局標準飛行マニュアルに同様の規定が定められています。
 ただし、独自に飛行マニュアルを作成した場合、航空局標準飛行マニュアルを使用する必要はないため、必ずしも風速制限については統一されていませんでした。
 今回の改正により、審査要領に③風速制限及び④速度制限が盛り込まれたことから、今後は、③風速制限、④速度制限について、統一されることになります。

 

⑤立入禁止区画の設定について

 改正前の審査要領では「観客、機材等から適切な距離を保って飛行させること」と定めるのみで、「適切な距離」が具体的にどの程度の距離を指すのか明らかではありませんでした。
 今回の立入禁止企画の設定により、具体的な距離が定められることとなります。

 

追加基準の適用除外

 パブリックコメントに対する回答の中で、追加基準の適用除外(いわゆる例外措置)について、以下の説明がなされています。
〇係留装置を装備した場合、その係留装置により想定される落下範囲が立入禁止区画として設定されるものと考える。
〇係留装置については具体的な基準はない。電動リールであっても、無人航空機の飛行範囲を制限でき、第三者の被害防止ができるものであれば差し支えない。
〇係留装置等の強度について特段定めはない。運航者において、安全に実施していただくため適切な強度が確保された係留装置等を利用してください。
〇パラシュート等についても、安全対策の技術的根拠について問題ないと判断できる場合は、例外措置として認められると考える。

参照

無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領の改正について(国土交通省)
無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領」の改正に関するパブリックコメントの募集について(e-Gov)
「無人航空機の飛行に関する許可・承認の指定要領」の一部改正に関するパブリックコメントの結果について

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